初めての現場での話を書いていきます。
私は現在エンジニア歴5年目ですが、ダントツぶっちぎりでこの一番最初の現場がつらかったです。
毎日終電、泊まり込み、休日出勤とデスハッピーセットでした。
当然時間外労働は100時間を超えます。
インフルエンザに罹りましたが気づかないくらい極限状態でした。
場所が今じゃうんこタワマンで有名な某駅から徒歩10分くらいの大きなビルで初めて出勤する日はエリートになった気分でわくわくしたものです。
メンバーは私と別の会社からベテランさんが一人、あとは雇い主の会社(プロパー)の担当者さんが一人の計三人でした。
登場人物はこんな感じです。
私:22歳、この時はまだやる気に満ち溢れてる、能力は素人レベル
ベテランさん:50代くらい、優しくて質問すれば教えてくれる、業界10年選手、有能
プロパーさん:30台前半くらい、主に打ち合わせで席にいない、週の半分は普段から会社に泊まり込みのエリート企業戦士
開発現場へ
プロパー「まずはセットアップからお願いします。」
プロパー「セットアップ用のディスクを持ってきます。」
※最初にメールの設定、officeソフトやセキュリティソフトの設定等PCを使用出来るように各種設定を行います。おそらくSESだと最初はどこもこの作業からになると思います。
数分後
プロパー「セットアップ用のディスクは別の協力会社さんが使用していて1週間程空かないようです。」
私「(よくわからん)」
先輩「(絶句)」
別の会社の人が使ってるから一週間PCの初期設定が行えず、使えないという状況になりました。
さらにここは新規開発のくせに設計書や仕様書といったドキュメントが一切ないトラップハウスのような現場だったのでマジで1週間なにもやることがなかったのです。
初めての現場だったのでやる気に満ち溢れていたのですが、一週間程は何もせずただ時間が過ぎるのを待つこととなりました。
------1週間後-----
PCセットアップが完了し作業に入れました。
試作品のシステムを作成→お客さんに見せながら要望、改善点を聞く→反映→打ち合わせ→試作品を完成版に近づけていく
これの繰り返しで進めるプロジェクトだったので私とベテランさんの役目はひたすらプログラムを書いていくものでした。
しかし打ち合わせ内容の共有は全て口頭で行われ毎日何かしらの箇所で修正の要望が行われます。
ベテラン「ここってこうだっけ?」
私「覚えてまセンチ」
こういったやりとりは何億回も繰り返されます。
2週間程経ってある程度勝手もわかってきたころ、朝出勤するとプロパーさんからメールがきてました。
メールの内容は大した内容ではない(忘れた)のですが送信時間が朝の4時になっていたのを見てこれまでゆるーく働いていた自分は戦慄したのを覚えています。
無限残業編
それまでは毎日ほぼ定時、残ってもきりが悪いから15分~30分程度残業するくらいで進めていたのですが、いきなり終電コースに変わりました。
異世界転生ものの導入並みに唐突です。
プロパー「ちょっと共有があります。」
プロパー「半年先に完成予定だった内容ですが、残り2か月で暫定版として対応することになりました。」
プロパー「スケジュール的にどうでしょう?」
私「誰か手伝ってくれないと無理です。」
というかやりたくないこんなの。
新人だったので実力も全然なくホントに無理だったわけですが....。
ベテラン「時間が足りません。無理です。」
プロパー「時間足りないですよね。一応先方にもかけあっておくので、出来るところまでお願いします。」
こんな感じのやり取りでした。
そもそも半年かけて完成させる予定だったものがなぜ2ヶ月で終わると思ったのでしょう。
今思ってもやはり無理だと思います。
半分以上巻きてあんた...。
この日を境に泊まり込み、休日出勤のオンパレードでした。
当然帰るのも終電になりました。
経験三年ほどの一般的なエンジニアの作業能力を1とするとこの時の私が0.3、ベテランさんが2.5くらいです。
2ヶ月で完成させろ命令は結局決まってしまいましたが当然のごとく終わりませんでした。
出勤したら席がなかったの巻
残業のオンパレードで働き続けていたのですが、その日は金曜日で久しぶりに土日両方休みです。
当然のように終電帰りでしたが2連休とのことでかなりうきうきで帰りました。
幸せのボーダーはどんどん下がっていきます。
深夜2時過ぎに寝て次の日起きると夕方5時過ぎだんですね。
体が重かったのですが、そんなの慣れっこなので疲れてるなーくらいにしか思わなかったんですが食欲が全然わかなくって試しに熱計ると39℃近くありました。
病院でインフルの診断を受けて1週間の自宅待機となります。
苦しかったですが、3日ほどたつとインフルってもう症状全然気にならなくなるもので実質長期休暇くらいに思って満喫してたんですね。
次の週出勤すると知らない人が私の席を使ってて私の席もPCもなくなってました。
おったまげです。
私「席がなくなってるんですけど....」
ベテラン「辞めたって聞いたけど」
私「?」
クビになったのかと思いました。
自社に確認すると私がインフルで休んだタイミングと増員のタイミングがたまたまかぶってたようでした。
また、自社→A社→B社→C社と間を挟んで伝言ゲーム形式で伝わるので途中で「ぽんずはインフルエンザで休む」から「ぽんずはインフルエンザでやめる」というわけのわからない内容に変わってしまったようです。
その日は席もPCもなかったので当時流行ってたまんが村で東京喰種を昼まで読んで自社から帰宅OKとの指示をいただいたので帰りました。
学んだこと
新人気分だとマジで帰れない。
残業が増えてから業務量がかなり増えたので、教えて教えての状態だと仕事が全然終わらないことに気づきました。
さらに0時を過ぎるとこの建物防犯の関係で出入口にシャッターが下りて帰宅できなくなります。
脱獄不能の社畜収容所に様変わりしてかなり嫌な気分になるのでなんとなく調べて出来るところを進めようという意識から何がなんでも終わらすって意識に変わりました。
元ニート、コピペプログラマになる。
意識が変わっても実力がそんなすぐに変わるわけはないのでネットに落ちてるサンプルプログラムを拾ってきては試すのが癖になりました。
たまに思ったように動きますがその内容は全く理解していないです。これはほんとによくなかったと思います。
処理名(メソッド名)なんかもサンプルのままなので「sample」や「bottunaction」のようなメソッドがかなり増えました。
大量の糞コードを量産してしまいます。
当然コピペだけではどうにもならない部分は出てきます、そういった場合結局ベテランさんの手を借りることになってました。
椅子で作るベットは意外と気持ちいい
朝9時に出社して泊まり込みだと退勤するのが次の日の夜22時とかになります。
集中力なんてかけらも残ってないので2,3時間仮眠することがあります。
オフィスチェアを4つ程並べて簡易ベットで寝るのですが意外と寝心地はいいです。笑
寝心地がいいというよりは疲れ果てて体も寝れればどこでもいいくらいな感じだと思うのですが....。
やる前はこんなのネットの中でしかないことだと思ってましたがまさか最初の現場で体験することになるとは思っていませんでした。
では、また。